塗り替えの手順 3
【第23回 放送分】
塗り替えの手順3
田野さん:例えば料理とかって、砂糖小さじ一杯、醤油小さじ一杯、ちゃんと計量スプーンを使ってお料理してるのに、その日によって味が違ったりとか、小学校の時の絵のことを思い出すと、同じ量だけ絵の具を取って塗ったはずなのに、ここだけ色が変わっちゃったりとか、絵の具を足した分だけ何故か色が違うとかなっちゃうんですけど、塗料も全く同じ色を毎日毎日作るって難しくないですか?
川口:塗料も今は電子はかりがあって、硬化剤と主剤を何対何で配合するって決まりがあるんです。
昔の塗装屋さんなんかは目分量で入れてたんだけどとんでもない話ですよね、僕に言われせてみると。
今でも年配の方はそうやってやる方も多いんですけど、何対何っていう配合比率が出てるわけですからきちっとはかりで測って作るのが本来正しいと思います。
田野さん:電子のはかりって体重計のピッと出てくる感じのではなくて?
川口:ああいう感じです。デジタル体重計みたいな感じですね。ああいうはかりが今売ってるんです。
田野さん:塗料用のってことですか?
川口:いやいやいや、ホームセンターに行けば売ってますよ。
その上に空の缶かんを置いて・・パーマ液も1液と2液で混ぜるでしょ?
田野さん:あ、混ぜる!
寸前に混ぜてくださいって書いてある。
川口:そうでしょ。あれと同じですよ塗料も。空の缶かんに何対何って入れていくわけですよ。
主剤5キロに対して硬化剤1キロってなったら合わせて6キロになるように作っていくんです。
田野さん:で、それをしっかり混ぜる。
川口:そう。それを攪拌機って言うもので混ぜるんですけど。
屋台のお好み焼き屋のお兄ちゃんがバケツの中で小麦粉をウィーン!って混ぜてるでしょう。
田野さん:あ!見たことある!
川口:あれで混ぜるんですよ。
田野さん:気になる方はちょうど今屋台の時期ですから見て頂ければ・・(笑)じゃあ、あれでよく混ぜると毎回同じ品質の塗料を作ることができるという事なんですね。
で、これを塗って・・
川口:塗って・・そうすると今度は塗料には「塗り重ね乾燥時間」ていうものがあるんです。
これは何かと言うと、塗料は3回塗ってくださいってカタログに書いてあるんですよね。
1回目を塗って2回目を塗るまでの間に必ず6時間以上は時間を空けるって規則があるんです。
ということは、全部塗り終わって30分も経たない内に「表面だけ乾いたから次2回目塗ろうか」と塗っちゃう塗装屋さんが多いんですけど、こんなことはしちゃいかんですよね。
塗り終わったらちゃんと6時間空ける。
ということは、その日はもう何も出来ないですよね。
ですから1日一工程ずつ進めて、3回塗るなら3日間かけてやる、これが本来塗装屋さんがやらなければいけない仕事ですよね。
田野さん:でもそれは頼む方も知ってないといけませんね。
「まだこんなに明るいのに職人さん帰っちゃった」って思っちゃうかもしれないですもんね。
川口:そうですね。
田野さん:先にそういう事も話し合いをして、これはこうやって時間を空けないといけないから・・っていう話もして頂いてっていうことですね。
川口:その通りです。
田野さん:で、決まった回数を塗ったら・・
川口:今度は、窓を隠したビニールを全部取らないといけないですよね。それを取って、今度は少し飛んでしまった所なんかの掃除をきちっとして、足場を外して、それからお客様にお返しする、と。
田野さん:へー!なんだか改めて聞くとまた知らなかったことが色々出てきますね。
第23回放送分
- 第23回-1:塗り替えの手順
- 第23回-2:塗り替えの手順 2
- 第23回-3:塗り替えの手順 3
- 第23回-4:塗り替えをする3ヶ月前に見積りを取るのがベスト!