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塗り替えリフォームで後悔しないために

2017.07.27 2022.02.10
塗装屋ブログ

塗り替え市場は不滅です。

164万戸から73万戸へ。
これは平成8年から22年にかけての、新築住宅着工数の件数です。
日本の建設市場は、住宅市場もふくめわずか15年程で半滅。
建設投資金額も建設業者も、淘汰が止まらない厳しい状況が続いています。

また、未来においても、少子化の進む日本では、この先新設住宅の着工が80万戸を大きく上回ることはないと言われています。
しかしその反面、拡大していく市場があります。それが「ストックマーケット」、つまりすでにある住宅についての市場です。

日本は現在すでに2700万戸の住宅ストックが存在します。
これに先細りと言われる新築住宅数を加算しても、1年で80万戸が増え続けていく・・・景気に関係なく、安定が約束された市場と言っても過言ではないでしょう。

消費者側も、家を30年毎に建て直す余裕はすでになく、むしろ長く保持し、価値を守りたいと願うようになっています。

つまり『外壁の塗り替え=家の保護』という本来の役割が伝わりやすく、受け入れられやすい時代に突入しています。

住宅を大切な資産として守っていくためには、「正しい」塗り替え工事が必要です。

平成21年6月に「長期有料住宅の普及の促進に関する法律」が施工されたように、住宅を30年で壊すのではなく、きちんと手入れして長く大切に使うことの重要性はますます高まっています。

外壁・屋根の塗り替えも、単に見た目の美しさではなく、「住宅を守るために塗り替える」という意識が大切です。なぜなら、雨や紫外線などの厳しい外的環境から守っているのが塗装であり、その塗り替えを怠れば、これまでのように30年で建て直しという事態になってしまうからです。

住宅を大切な資産として守り、次代へ継承していくため、また環境保護の側面からも10年ほどを目安とし、定期的に塗り替えを行うことが望ましいでしょう。

塗り替えの際に注意しておくべきことがひとつあります。それは「正しい」塗り替え工事を行う必要があるということです。
住宅リフォーム工事に関わるトラブルの半数弱を外壁・屋根が占めているという事実があるほど、塗り替え工事は失敗しやすい工事なのです。

塗り替え工事を「単に塗料を塗るだけの工事」と安易に考えていると、高い金額を支払って実施したにも関わらず、まったく意味のないものになってしまう、ということになりかねません。
塗り替え工事は、住宅の価値を守りながら長く住み続けるための、大きな意味のある工事です。だから失敗は許されません。

住宅リフォーム工事全体の中で、塗装に関するトラブルが半数弱を占めています。

住宅の価値を守り、長く住み続けていくために必要不可欠な外壁・屋根の塗り替え工事。しかし実は、最もクレームが多い工事であることをご存知でしょうか。

(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターの発表により、住宅リフォーム工事全体の中で、外壁・屋根に関するトラブルが4割以上を占めていることが明らかになっています。

一番多いのは雨漏りのトラブルで、剥がれ・外れ・漏水と続きます。
しかも35種類ほどの内容がある住宅リフォーム工事の中で、塗り替え工事にかかる費用の平均単価は、その他の工事の2倍以上にもなるといわれています。高額で絶対に失敗したくないのが塗り替え工事なのです。

また、ショールームやカタログなどで事前に確認できるキッチン・バスルーム・トイレなどのリフォームと違い、塗り替えについては最後まで仕上がらないと確認しづらいという特徴もあります。

さらに屋根の雨漏りや外壁のひび割れ・剥がれ落ちなどは、施工後数年たってから判明する場合がほとんどであり、工事完了時にはなかなか判断できません。それではなぜ、プロに頼んでいるはずなのにこのような事態が発生するのでしょうか。

発注者側からすると、住宅の状態がよくわからないまま多額の金額を支払って塗り替えを行うことに不安を覚えるのは当然です。だからこそ、発注者側も武器を身につける必要があります。それは「信頼できる業者を選ぶ力」です。

そこで、クレームの事例の中でも、特に多い4つのケースを以下よりご紹介し、信頼できない業者に多く見られる傾向を解説します。

あやふやな「坪数一式見積もり」

■ 見積もり詳細に明記されていますか?

詳細項目が明記されていない見積もりは、高い確率でクレームが起きる原因となります。よく見られるのが、塗装を行う面積が正しく計測されないまま、住宅の坪数を基準にして算出された見積もりです。

家の図面や建物の実地計測によって、塗装を行う面積を正確に算出することが正しい流れですが、単純に建物の坪数(床面積)で価格を割り出し、曖昧な一式見積もりにしてしまう業者が当たり前のように存在しています。

そのため、同じ住宅の塗り替え工事であるにも関わらず、商社ごとの見積もり額には大きな差が生じます。

ここで大切なのは、表面的な価格の安さではなく、きちんと塗装面積が計測された上で、算出された価格であるかどうかという点です。工事内容のわからない「一式」ではなく、各部位ごとに分けて、塗装面積の根拠と共に、金額が提示されていることを確認しましょう。

また、(床面積を基準とした)坪数での見積もりは、工事の品質定価につながり、住宅を傷つけてしまうことにもなりかねません。

なぜなら、正しい塗装面積が計算されていないために、塗装メーカーより規定されている正しい塗布量が守られてないからです。

正しい塗布量とは、その塗料の性能を発揮させるため、各塗料メーカーが規定している必要な塗料の量のことです。

当然、塗装面積によってその量は異なるのですが、そもそも正しく計測されていないので、守られるはずはありません。

塗り替え工事が完了した時点では、美しく塗り替えられているように感じるかもしれませんが、それは表面だけで、住宅を守るという塗装の役割はまったく果たされていないと言えるでしょう。

こうなるともう手遅れであり、価格の安さで選んだはずが、結局は大損という事態になります。

「きちんと塗装面積を計測し、仕様書に明記された塗布量を守る」、一見当たり前のように思えることを、当たり前に実行してくれる心強い業者を選びましょう。

■一式見積りにしてしまうと、業者ごとの見積もり額に大きな差が生じる
■坪数見積もりの場合、塗装面積と詳細項目が明確ではない
■塗装面積が正確でなければ、各塗料メーカー規定通りの工事ができない

担当者の知識不足

■ 営業時、担当者の説明は的確ですか?

発注者と実際に施工する職人との間に立つ担当者に、塗装の専門知識がないというケースは多くあります。

リフォーム工事全体のことは広く浅く知っていても、その中のひとつである、塗装工事についての掘り下げた質問には答えきれないのです。

実際の工事自体も、外部の塗装業者に丸投げしていることが多いため、結局は「担当者が営業時に言っていたことと、工事の現場でやっていることが違う」「要望がちゃんと現場につたわっていない、こんなはずじゃなかった」というクレーム事例に発展することが多々あります。

例を挙げるとすれば「ワインに詳しくないフランス料理の店員に、大事なワイン選びを任せてしまい、結局は料理の味と合わずフルコース全てが台無しになってしまう」。これではクレームとなって当然と言えます。

塗り替え工事は、住宅を長く大切に使い価値を守るために行う10年に一度の重大行事ですから、専門知識のない担当者が間に立つということは、大変恐ろしいことなのです。

塗装について、詳細な説明をしない担当者や、質問に対して迅速に且つ的確に答えられない担当者に依頼した場合は、その塗り替え工事自体、失敗に終わる可能性が高い。と心得ておいたほうが良いでしょう。

また、そのような担当者の大半は、質問がある度に専門業者に質問しています。こうなるともはや、伝言ゲーム状態です。
しかも、発注者の質問の意図を、的確に汲み取ることができていないかもしれません。

なぜなら、営業のみを行う担当者は、塗装のプロではないからです。大切なのは、塗装についての豊富な専門知識と経験を持つ、塗装専門担当者と直接やりとりを行うことです。

そうすることで、質問にきちんと答えてくれるだけではなく、その住宅の状態に合った、最良の塗り替え工事を提案してくれるでしょう。

■知識のない営業担当者の場合、営業と現場の違いが生じる
■専門知識のない担当者は、工事を丸投げする可能性が高い
■専門の担当者であるかどうかを確認して、発注すること

信頼できないアフターフォロー

■ 工事の後も頼れますか?

塗り替え工事の瑕疵(かし:傷や欠点)は、工事が完了してしばらく経過した後から発生することが多いのです。その問題に気付くことなく放置され、大きなクレームに繋がるのは、工事後のアフターフォローを徹底していない「その場しのぎ」の業者が多く存在しているからです。

そのような業者は、工事が進んで行くにつれて、発注者側が不安を覚え、色々と質問や相談をしても、何の根拠もなく「大丈夫です」と言います。アフターフォローについて明記された書面がない限り、その言葉はごまかしに過ぎません。

住宅メンテナンスの要である塗装工事は、塗り終わったら終わりではなく、塗り替えてから次の塗り替えまでの長いお付き合いが、発注者と業者の間で大切なこととなります。しかし有効な保証書もなく、「大丈夫です」と言って発注者側を言いくるめようとする業者には、最初から長くお付き合いする気持ちはないと考えたほうが良いでしょう。

そのような業者に限って、いざ問題が起きたときには、言葉巧みに言い訳をし、結局は何もしてくれないというクレーム事例が頻繁にあります。「何かあればちゃんと対応します」という口約束を信じても、実際に不具合が生じたときには、何の役にも立ちません。

色々ともめた結果、最終的にはまったく別の業者に補修を頼み、お金を支払ったというケースも多々あります。高い金額を再び支払うことになると、費用面での発注者側の負担は非常に重いものです。

「高い金額も払うし、当然アフターフォローもやってくれるだろう」という考えは、トラブルの元です。信頼して任せた業者かもしれませんが、有効な保証書の提出がない限り、確実に信頼できるとは言えません。

長いお付き合いが大切な工事であるにも関わらず、アフターフォローについての意識が低い業者が横行している現状なのです。だからこそ発注者側も積極的に、有効な保証書の発行と、その内容を確認の上、業者とアフターフォローに対する意思統一を行っておく必要があります。

■塗り替え工事の瑕疵(かし)は、しばらく経過してから発生することが多い
■有効な保証書の提出
■定期的な点検と、アフターフォローが実行される体制を確認

トリックいっぱいの低価格工事

■ 価格だけで判断していませんか?

表面的な低価格工事が、大きなクレームに発展することもよくあります。それは「低価格には、低価格になるだけのトリック」が隠されているからです。

まず最初に挙げられるのが「坪数での見積もり」または「一式見積もり」です。正確な塗装面積が計測されていなければ、全てが曖昧な見積もりになってしまいます。その金額の中に、どんな内容が含まれているかが明記されていないため、最初の見積もりは安くても、適正な量や工程を省いている可能性があるのです。

続いてのトリックは「違法行為の簡易足場」です。様々な危険を伴う工事には、安全性を確保するために守らなければならない法的規則があります。工事の際の足場の設置もそのひとつで、足場の設置を足場業者に発注せずに、その分の費用を削るため、自ら違法な簡易足場を設置する塗装業者が存在するのです。これは、法律違反であると同時に「簡易足場では、塗装工事の品質を落とすような現場環境」であることも知っておく必要があります。

信じられないようなトリックはまだあります。「余った塗料の使い回し」です。塗料の性能を発揮させるための規定塗布量を守らずに、塗料を余らせ他の現場で使い回すのです。ひどい業者になると、既定塗布量を半分程度しか使用しないこともあります。塗料代が大幅に浮くので、低価格の工事を行うことは出来ますが、品質が低くなり見栄えがきれいなだけの工事で、塗装本来の性能はほぼ発揮できないでしょう。

最後は「下請け職人への安値発注」です。一部の悪質業者の場合、塗装工事は外部の下請け業者に丸投げしているというケースが多く、その外注費用が削られます。これでは低価格で工事を行うことが出来ても、非常に安価で依頼された下請け職人による「手抜き工事」が発生する可能性が高くなります。

表面的な安さの判断は、塗り替え工事失敗への第一歩とも言えるのです。

■違法な簡易足場は違法であり、工事品質も落ちる
■他の現場で余らせた、塗料の使い回しの可能性がある
■下請け工事の安値発注は、手抜き工事の最大の原因

どこを塗り替えればいいのか?

「定期的な塗り替え工事が必要」といっても、その都度どの部分を塗り替えるべきなのかを判断していかなければなりません。もちろん、選んだ業者が必要な塗り替え箇所の診断を行いますが、適切な工事を進行させるためには、発注者側も各部位の名称や種類等の基礎知識は覚えておく必要があります。

屋根
主にストレート屋根・トタン屋根・瓦屋根に分かれます。瓦にはセメント瓦や陶器瓦などがありますが、陶器瓦は表面の釉薬がガラス質になっているため、専用塗料が必要となります。

外壁
窯業系サイディング・モルタル・コンクリートに加え、断熱性に優れたALCなど様々な素材があります。ほぼ全ての外壁材に、定期的な塗り替えが必要となります。

玄関ドア(付帯部)
木製の玄関ドアの場合は、定期的な塗り替えが必要です。

基礎・外構
主な素材はコンクリートやブロックとなります。基礎や外構は地面に接しているため、地面からの水分の影響により、塗装が剥がれやすい傾向にあります。塗料の選定と施工は慎重に行う必要があります。

各部位の素材によって、塗るべき塗料も変わってきます。「どの部位をどのように塗り替えるのか」判断することが大事です。見積もり書に詳細な塗料箇所が記載されていない場合は、契約前に業者にしっかり確認し、あとで後悔しないようにしましょう。

国の方針や住宅のカルテとは?

「長期優良住宅」の実現には、定期的な塗り替えが必要不可欠

住宅を定期的にメンテナンスし、長く大切に使い続けることは、すでに国の法律でも定められ推奨されています。それが、平成21年に施工された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」です。少子高齢化の急速な進展や環境問題の深刻化などの社会的経済情勢の変化にともない、国民の生活の基盤である住宅の「質」を向上させ、長期にわたる住生活の安定を図る必要があると判断され、制定に至りました。

長期優良住宅の普及によるメリットは、大きく分けて3点あります。

1つ目のメリットは「住居費負担の軽減」です。住宅を長持ちさせことが出来れば、頻繁に建て替える必要がないので、大幅に費用を削減することが出来ます。そしてその分の削減費用を、最新設備の導入やリフォームなどによる住生活の「質」の向上に生かすことはもちろん、福祉や余暇活動に充てることで余裕も生まれます。実際に、現状の4倍程度、長期にわたって住宅を使用した場合、建築や維持保全など住宅にかかる全体費用が、3分の2程度まで縮減可能と試算されています。

2つ目のメリットは「住宅の資産価値の向上」です。これまでの日本における住宅の資産価値というのは、住宅ローンを返済し終えたときに、ほぼゼロになっているような状態でした。「住宅=負債」のようなイメージだったのです。しかし、住宅を長く大切に世代を超えて使用するようになれば、住宅の資産価値は維持され「住宅=資産」となります。もちろん売買も容易になるでしょう。そうして良質な住宅ストックが社会資産として蓄積されていけば、住み替えの際の選択肢も多様になり、ニーズを満たす住宅を選べるようになります。

3つ目は「環境への負荷の低減」です。日本における二酸化炭素の排出量は増加傾向にあり、住宅・建設部門での排出量がその約3分の1を占めています。また、住宅の解体などで大量に発生する産業廃棄物も問題です。住宅関連の産業廃棄物は、建築関連の産業廃棄物の中で半分以上を占めています。住宅を長持ちさせ、環境への負担を軽減していくことは、地球環境を守るための絶対条件なのです。それでは、長期優良住宅であるために、求められるものとはなんでしょうか?

それは、住宅の性能の良さと維持保全計画です。住宅の性能とは、耐久性・耐震性・維持管理の容易性などを指します。維持保全計画とは、計画的な点検・修繕計画のことです。住宅の性能は、年月がたてば変化し低下していきます。そのため、適切な維持管理の計画に基づいたメンテナンスが求められます。

建物を長持ちさせるための維持管理には、定期的な塗り替えの実施が最も重要となります。そして塗り替えの失敗は、結果的に長期優良住宅の品質低下へとつながってしまうので、しっかりと計画性を持ち取り組みましょう。

住宅にも長生きするカルテがあります

「住宅履歴情報(別称:いえかるて)」という言葉をご存知でしょうか?これは、住宅の設計・施工・維持管理・権利・資産などに関する情報のことで、計画的なメンテナンスには欠かせない、住宅のカルテのようなものです。病院で適切な治療を行い患者の健康を守るためにカルテが必要なように、住宅の場合もいつどのような症状が出て、だれがどのように修繕を行ったのかを記録に残していかなければいけません。

住宅履歴情報を蓄積していくことのメリットは、大きく4つあります。

まず1つ目は「計画的な維持管理」ができることです。日常の点検や維持管理の記録を残すことで、次のメンテナンス時により的確な判断ができ、無駄な費用がかかる事態も回避できます。

2つ目は「合理的な改修(リフォーム)」ができることです。住宅の状況を把握しやすいので、できる事出来ないことを踏まえた合理的な計画を立てることにつながります。それにより、工期の延長や予算の超過が少なくなります。

3つ目にあげられるのは、「売買を有利に」できることです。中古住宅市場においては、住宅履歴情報があることで、見えないところについても状況を把握することができるため、不動産業者が自信をもって仲介することが出来るようになります。もちろんそのほうが買い手も安心して購入できますし、住宅の価値も適切な評価を受けることが期待できます。金融機関・保険会社、調査会社なども迅速かつ的確に専門的な判断を下せるようになるのです。

そして最後の4つ目が「災害時の迅速な対応」ができることです。災害時などの緊急事態の際も素早く復旧や補修を行うことが出来ます。また突然不具合が発生しても、部品や機器の交換などの対応がスムーズです。

以上のように、その蓄積の有無によって大きな差が生じる「住宅履歴情報(いえかるて)」ですが、蓄積される情報は「新築段階の情報」と「維持管理段階の情報」の2つに大別されます。

計画的なメンテナンスを実行していく際に活用されるのは、もちろん「維持管理段階の情報」です。戸建住宅の維持管理段階で蓄積される主な情報には、維持管理計画・点検や診断の内容・修繕の内容改修や、リフォームの場合はその内容、があります。

では一体、だれがその履歴情報をメンテナンスの度に更新するのでしょうか?それはもちろん住宅所有者が選んだ業者です。しかし残念ながら、住宅履歴情報の知識がなく、手続きや運用ができない塗装屋やリフォーム会社が数多く存在します。そのような業者に発注してしまうと、住宅を長持ちさせるための計画的なメンテナンス工事を行うことが難しくなってきます。

ずっと引き継がれて行く住宅履歴の情報が更新されていかなければ、建物の資産価値を落としてしまいます。業者選びの失敗が、後に大きな問題となりかねないのです。

住宅を長く使うためには、人間と同じくカルテが必要です。住宅のカルテなしでは、計画的な塗り替えメンテナンスは難しいでしょう。長期的な観点で、計画的なメンテナンスを提案してくれると共に、住宅を守ってくれる業者を選びましょう。

業者決定までの成功ストーリー
~押さえるべき5つのポイント~

業者選びの重要性をふまえて、業者決定までに発注者が押さえるべきポイントを確認していきましょう。

住宅という大切な資産を守るためには、定期的な塗り替え工事がとても大切であること。そしてその塗り替え工事の結果は、依頼する業者によって大きく変わることをお伝えしました。

それでは、どのようにすれば、たくさんある業者の中から信頼できる1社を選ぶことができるのでしょうか?また、怪しい業者を見抜けるのでしょうか?そこで実際に業者を選ぶときに押さえておくべき5つのポイントをご紹介します。どれかひとつでも満たしていなければ、その業者へ依頼するのは見直したほうがよいかもしれません。

5つのポイントをしっかりとチェックしながら、塗り替え工事成功へのストーリーを描いていきましょう。

【ポイント1】ちゃんと“診断”されていますか?

現状をただ伝えるだけでなく、きちんと“診断”し、“提案”してくれる業者を選びましょう。

最初にチェックすべきポイントは「住宅の劣化状況などについて、プロによる的確な診断がされているか」、そして「その診断に基づいた提案が書面で提出されているか」という点です。診断をしなければ塗り替え工事自体ができないので、どの業者も当然ちゃんとするはずと思っている方も多いかもしれません。しかし果たして、その診断はプロによって行われた正確なものでしょうか?

実は、たとえ診断したのが塗装の営業マンや塗装の職人だったとしても、診断するための専門知識や資格がなければ、正確な診断ができるとは限らないのです。

診断のプロが行っていない場合、現状報告にしかなっていないことがほとんどで、本当の意味での“診断”とは言えません。プロによって正しい診断が実施され、その結果に基づいた提案書の提出があってはじめて、正しい工事ができる業者の第一条件をクリアしたと言えます。

屋根の劣化状況診断

屋根の劣化状況診断 実際に上がらないと、劣化状況は把握できません。

まず屋根ですが、実際に屋根に上がらずに診断している業者の診断結果は、非常に疑わしいと言えます。雨や紫外線など外的環境の影響を最も受けやすいのが屋根であり、直接診断しない限りは多くの劣化を見逃してしまう恐れがあるのです。主にみられる症状としては、塗膜(塗装により形成された膜)劣化による汚れ付着や、サビ・剥離・色あせ・屋根材のずれ・割れ・屋根材を支える棟の部分欠落などが挙げられます。

屋根裏からの漏水診断

屋根裏を確認しなければ、漏水状況は判断できません。

住宅の漏水状況を正しく診断するには、屋根裏を実際に確認する必要があります。天井から漏水していて誰が見ても分かる場合、既にかなり漏水が進行してしまっています。ほとんどは、雨水が屋根裏に侵入するだけの場合が多く、屋根裏の漏水跡(水のしみ)からしか検証することができません。雨漏りについての知識がない業者も多く、もしこの診断を怠る業者であれば、工事の後に雨漏りトラブルが発生する可能性が高くなることでしょう。

必要に応じた塗装以外の提案

住宅の状況によっては、塗装以外の提案も必要になります。

そしてもちろん、住宅の劣化は塗り替えだけで全て解決できるわけではありません。診断のプロにより、必要だと判断された場合は、塗り替え以外の提案もされるでしょう。

例を挙げるなら、新しい屋根材への葺(ふ)き替えや、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるカバー工法、外壁部分でいうと下地補修や外壁材の交換などです。

もし、資格保有者などのプロによる診断を実施しない業者であれば、塗装以外のことが分からず、提案の幅が大きく狭まるため「正しいメンテナンスが行われないまま、工事後のクレームに発展してしまう」可能性が非常に高くなります。

映像による建物劣化診断について

理想的な診断方法は、ビデオによる診断です。

塗り替え工事の土台となる診断ですが、その質は業者によって大きく異なります。その中でも理想的なのは、ビデオによる診断です。映像に残り、誤魔化しが利かないため、避ける業者もいますが、メリットはたくさんあります。

まず「写真より信頼性が高い」というところ。写真は業者目線で撮影されますが、ビデオはありのままを全て映し出します。次に「都合のよい時間に家族みんなで共有できる」という点です。プロによる解説付きの映像のため、後で見返したときも分かりやすく、家族みんなで診断を共有できます。そして「一旦工事の依頼を保留しても記録として残る」ところも大きなメリットです。しばらく時聞が経過したとしても、「どこがどのように劣化していたのか正確に思い出せない」という事態を避けられます。

外壁・屋根材の知識がないまま診断する業者たち

正確な診断に必要不可欠な外壁・屋根材の専門知識が不足している業者は多数存在します。
そこで、診断の際に必要となる代表的な知識についてご紹介しますので、診断の正確性を見抜く判断材料としてご活用ください。

住宅の法律改正に対する知識

構造や設備の複雑化とともに急増した住宅の欠陥問題に対応するため、これまで住宅に関する法律は何度も改正されています。1981年(昭和56年)には、建築基準法が改正され、新耐震基準が導入されました。この導入により、震度5の地震では倒壊しないための構造に大きく変わっています。

そして2000年(平成12年)には、建築基準法の改正と住宅品質確保促進法の施工が行われました。その施工の際、外壁の下地に直接サイディングを張りつける「直張サイデイング」は、湿気で塗装が浮き、建物内部の腐食も進むため禁止となりました。施行以降の新築住宅には、外壁下地と外壁材の聞に空気層がつくられています。

しかし驚くべきことに、これら法律改正の知識がない業者が存在しているのです。法律改正の前後では住宅の構造が異なるため、それに合わせて塗装の方法や塗るべき塗料を変えなければならないのに、どのような構造になっているか診断できないので、塗料も塗装方法も間違え、後で大きなクレームにつながります。しかも、業者側が知識不足による診断の誤りを認識していないため、クレームの原因・解決策が誰も分からないという事態に陥り、収拾がつかなくなるのです。

建築材料の劣化特性の知識

正確に診断するためには、様々な建築材料の劣化特性を知っておく必要があります。建築材料ごとの劣化特性に応じて、適切な塗り替え時期を提案してくれる業者を選びましょう。

モルタル
セメントと砂に水を練り混ぜてつくられた材料。丈夫なイメージがあるが、素材自体の防水性能は低いため、それをカバーしている塗膜が劣化してくると、ひび割れが生じる。

サイディング
ボード状の建材。窯業系・金属系・木質系・樹脂系などに分かれる。最も使用されている窯業系は、主成分がセメントなので膨張しやすく、変形やひび割れを起こしやすい。

スレート瓦
セメントと石綿(アスベスト)が主原料。表層の塗装が劣化し始めると、雨水が瓦自体に染み込んでいく。コケの発生に加え、割れや下地の反りなどが起こる。

陶器瓦
水が浸透しにくく耐久性に優れているが、釉薬がひび割れを起こすと、どんどんひびが拡大していく。

適した塗料や工法を判断できる知識

専門知識のない業者は、劣化状況や建材に応じた最適な塗料を判断できないので、単一塗料しか提案してきません。多種多様な仕上げや下地補修・工法についての知識もないからです。同じ塗料ばかりしか提案してこない業者の診断には、注意しましょう。

“診断”は工事の土台であり、見積もりの根拠でもあります。その診断結果によって、最適な工事内容・工法・使用する塗料が決定していくのです。どの業者もきちんと診断できるという認識は捨て、専門家による診断を実施する業者を選びましょう。

【ポイント2】納得できる見積もり書ですか?

根拠のない暖昧な見積もりはトラブルの元。
価格だけで判断せず、内容も確認しましょう。

正しい診断に基づいた塗り替え工事の提案書を確認したら、次はいよいよ「見積もり」です。気になるのはやはり価格ですが、その前にまず、診断の内容がきちんと見積もりに反映されているかをチェックしましょう。
「雨戸は塗るのか?樋は塗らないのか?」など、含まれている内容と含まれていない内容を明確にすることが大切です。

○○塗装工事一式と記載されただけの見積もりでは、一見低価格でも、追加工事・追加請求となる危険性が非常に高いと言えます。
「塗装面積の根拠」「各部位で使われる塗料の名前」「塗料の缶数」を明確にした見積もりを作成する業者を選びましょう。

上記3点が暖昧な場合は、診断そのものが適切に行われていない可能性があります。細かく聞いても塗装のことはどうせ分からないから・・・という姿勢では、住宅という大切な資産を守ることはできないのです。

業者によって大きく違う塗装面積

塗装面積が暖昧であれば、全てが暖昧になります。

数社から見積もりをとった場合、その塗装面積の差にびっくりするかもしれません。もちろん塗装面積によって塗料の使用量も変わるので、見積もりの価格にも大きな影響が出ます。まずは、塗装面積の算出方法などの根拠をきちんと説明してもらい、使用する缶数は図面から算出しているのか、住宅の実地測定まで行ったのかなど、納得できるまで色々と質問してみましょう。

外壁の面積を測定せずに単純な坪数を基準にして算出してくる業者は、当然論外です。塗り替え工事の面積が正しく計測されていて、なおかつ工事を行う部位ごとに分けて記載されている見積もり書が望ましいと言えます。

塗装面積の根拠を明らかにしていくことは、工事全体の内容を明らかにしていくことと同じです。暖昧なままで終わらせてはいけませんし、逆に分かりやすく明確に説明してくれる業者なら、信頼性が高いと言えるでしょう。

メーカーが規定する必要な塗料缶数

塗布量が守られている見積もりかどうかの確認も必要です。

塗料の性能を発揮させるために、各塗料メーカーが「仕様書」というものを出しています。そこには、塗装面積に対する最低限必要な塗料の量や、それにともなう缶数・乾燥時間・適した温度などが記載されています。

しかし信じ難いことに、この仕様書を守らない業者が後を絶たないのです。規定の塗布量を守らずに使用する塗料の缶数を少なくすれば、その分見積もり価格を安くすることができます。

ところが、実際に少ない塗布量で塗り替え工事を行うと、その塗料の効果や耐久性が激しく落ちてしまうため、クレームの原因となります。数社の見積もり書を比較してみて、低価格だけれども缶数が明記されていない見積もり書があれば、規定塗布量を守らない悪質業者の可能性があります。また、工期が短く設定されている場合は、乾燥時間が守られていない危険性もあります。

メーカーからの仕様書があるにも関わらず、それを守らない業者が当たり前のように存在していることを心得て、見積もり書をチェックしてみましょう。

材工分離の重要性

見積もり書には、使用する塗料についても明記されていることが望ましいです。

見積もり書の中で、塗料と工事のことが明確に分けて記載されていることが大切です。塗料と工事の項目は分けて考えられるべきであり、使用する塗料のメーカー名・商品名・使用量は項目としてきちんと見積もり書に記載されていることが望ましいのです。

「適した塗料を規定の塗布量で塗る」という当たり前のことが守られなければ、当然工事の品質も落ちるわけですが、そこを材料と工事を含める材工一式の見積もりにすることで、暖昧にしようとする業者は事実存在します。素材や劣化状況に関わらず、どんな場合も同じ塗料しか売らない業者もいます。提示された見積もり書が、材工分離型になっているかどうかという点も、その業者の信頼性を判断する大きな基準になるのです。

見積もり書に記載されるべき項目

◎塗料メー力一名
◎塗料の品名(グレード等詳細を含む)
◎使用する塗料の量(缶数)
◎塗装する面積

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