メンテナンスは大切
【第39回-1放送分】
メンテナンスは大切
田野さん:こんにちは!よろしくおねがいします~。
川口:こんにちは!おねがいします!
田野さん:あっついですねぇ。
川口:暑いですよね~。
田野さん:もう、夏?みたいな。
川口:本当、そうですよね。
今日は本当に夏日ですよね。
田野さん:そんな中、お外でお仕事をされている川口さん。
川口:まぁね、私なんかはいいですけど。
うちの職人さんはねぇ、よぅ頑張ってくれてます。
本当に感謝、感謝ですね。
田野さん:ちょっと日焼けされてますもんね、またね。
川口:そうですね(笑)
田野さん:そんな中なんですけども。
川口さん、私ちょっと勉強しましたところ、建物って色んな法律があるんですね。
もちろん、法律があって守られてると思うんですけど。
その中で、「長期優良住宅の普及の促進」に関する法律というのを見つけたんです。
川口:あー、平成21年の?
田野さん:そうそう!これ、なんなんですか?
川口:要するに国がメンテナンスをして家を長く持たせましょうっていう、そういう風に国の・・・なんて言うのかな、方針というか。
今までは30年に1回建て替えて、なんていう時代だったんですけど。
田野さん:確かに小学生の時とかって建て替えを今しているからおばあちゃん家に帰るんだ、とか結構ありましたよね?
川口:そうですね。
でも今はそういう時代じゃなくて、一つの家をきちっとメンテナンスをして50年、60年住みましょうっていう国の政策としてそういうのをやってるんでしょうね。
田野さん:昔の家はそうでしたよね?
川口:あのね・・・なんて言うのかな。
日本の家って、実はメンテナンスさえすれば長く持つんですよ。
でも昔は景気もよくて高度成長期で家も30年たったら新しく壊して建て直しましょうっていう時代だったんですけど、今はそんな時代ではないじゃないですか。
だから、国のほうがとにかく大事に大事に使ってメンテナンスして長く長く住みましょうと変わったんでしょうね。
田野さん:その方がでも、環境負荷もかからなくていいですよね?
川口:いいと思いますけどね。
田野さん:お金もだいぶ違いますもんね。
川口:その通りなんですよね。
だから我々よくセミナーではお話しするんですけど、家を持たせるために一番大事なものというのは雨を、建物の中に水を入れないこと。
雨を入れないこと。
以前もここでお話をしましたけれど、法隆寺、奈良や京都のああいう仏閣っていうのは1300年くらいたってますよね。
なんであんな1300年たっても建物が、社がたっているのかというと、雨に濡れない工夫がたくさんされているわけですよね。
例えば軒先がものすごく長い。
田野さん:長い長い!
川口:要するに壁に雨が当たらないよというのと、あとは柱ね。
柱が束石という石の上に乗っているんですよね。
昔の中国からの建築方法なんですけれど、石の上に柱が立っているので地中の水分を柱が吸い上げないんでしょうね。
かと思えば出雲大社だとか伊勢神宮なんかは式年遷宮って言って出雲だとどうだろう、60年か?伊勢神宮は20年に1回、社を建て替えるじゃないですか。
あれはまぁ傷んだから「はい、壊しましょう」ではないんでしょうけど、やはり柱が地べたにずどんと直接ついてるんですよ。
ていう事は、柱が地中の水分をみんな吸うわけですよね。
木というのは水分の含有率が30何%を超えると菌が発生してどんどん腐ってくるんですね。
だから法隆寺だとかそういう昔からの建物、神社仏閣っていうのは水を建物に入れない工夫がそこら中にされているという事なんです。
田野さん:へぇ~!
川口:今の日本の家って軒なんて無いですからね、ほとんど。
田野さん:隣との境目があまりないですから、軒伸ばすとちょっと困っちゃいますね。
川口:だから、とにかくまめにメンテナンスをすることによって長く住みましょうっていう事なんですね。
田野さん:そのメンテナンスの一つとしてこの「塗り替え」が必要。
川口:そうなんですよ、塗装ってことなんですけどね。
田野さん:とにかく長持ちさせたいと思ったら、ただとにかく塗っておけ・・・ってそういう事でもないんですよね?
川口:あのね(笑)これは勘違いされると困るんですけども、塗装がもうできない建物がたまにあるんです。
塗装が出来ないっていうか、塗装をしても無駄というか、塗装にお金をかけてはいけないですよっていう、そこまでなっている建物もあるんですよね。
田野さん:痛んじゃうと塗り替えをしてもしょうがないんですか?
川口:もったいないってことですね。
塗装をしてもまたすぐダメになっちゃうぐらい傷んでしまってる建物も、正直に言うと中にはやっぱりあるんです。
田野さん:そうなってしまったら、建て替えとかリフォーム?
川口:壁の張り替えになるんでしょうね。
田野さん:あぁ!
川口:壁の張り替え、もしくは上から、例えばトタンの壁を新たに張るとか。
塗装はできるんですよ?一時的には綺麗になるんですけど、もともとの基材が、壁自体の素材がボロボロになってしまっている場合は表面だけ塗装しても、どうしても1年2年でまた不具合が出てきますので、もったいないですからお客様にはちゃんとお伝えしてます。
ちょっと塗装では無理だよってことを言っています。
田野さん:でもそれは、川口さんがちゃんと見て、教えてくれる人だから教えて頂けるだけであって、儲けようかなって思ったら言わずに塗り替えちゃうとお得ですよね・・・?
川口:そうですね・・・でもとんでもない話ですよ。
そんな事はあっちゃいかんことですよね。
中にはそういう業者さんもおるんですけれども、本来はあっちゃいかん事ですから。
田野さん:だから、選ぶのは大切って事なんですね。
川口:そういう事ですね。
田野さん:でもこれ、もうそろそろダメかも、いいかもっていうその境目ってどんなところなんですか?
川口:例えば指で触ったときに壁自体がサラサラの砂のようにポロポロ落ちてくる場合もあるんです。
水を吸いすぎちゃって、指で爪を立てるだけでサラサラサラ・・・って壁が崩れていってしまう事もあるんです。
そうしたらちょっと残念ですけど、塗装での改修は不可能と思った方がいいですね。
田野さん:塗装を塗り替えるのと板の張り替えだと、圧倒的に塗装のほうがお値段は低くてすみます?
川口:その通りです。
安いです。
ただ、タイミングを逃してしまうとどうしても張り替えざるを得なくなってしまう。
だからメンテナンスっていうのはやっぱり大切なことなんでしょうね。
第39回放送分
- 第39回-1:メンテナンスは大切
- 第39回-2:建てる時から計画を
- 第39回-3:塗装のボランティア「塗魂ペインターズ」
- 第39回-4:そろそろ梅雨時期なので