塗装工事を契約する前に知っておきたい5つの自己防衛策
外壁塗装や屋根塗装の業者を選ぶ際、最終的に決定するのは他でもないご自身です。
誰もが「適正な金額できちんと工事をしてくれる塗装会社を選びたい!」というお気持ちだと思います。
いくつかの塗装業者から見積もりを取る前に自己防衛策を知っていれば、その場の空気に流されて契約してしまうということは防げます。
真剣に外壁塗装や屋根塗装などの塗装工事を考え始めたら、まずは知っていただきたい5つの自己防衛の方法をお教えします。
1.「塗料の耐用年数は10年です」に気を付けよう
家の立地条件によって外壁や屋根の傷みの進行度も変わります。塗装業者さんに「何年くらい長持ちしますか?」と尋ねると、「この塗料は○○だから10年は持つよ!」と言われます。
しかし、立地場所や季節気候によって寿命は大きく変わります。つまり、寒暖の差が激しい地域では塗装へのダメージも大きくなります。
北海道などの寒冷地は良い例です。愛知県とは寒暖の差が大きいですよね。
車でも、寒冷地仕様があるほどです。
この、愛知県内でも、標高の高い地域と、そうでない場所では、違いが現れます。
それなのに、「この塗料は10年は大丈夫です」と安易に言ってしまうのは知識の薄い塗装業者か、いいかげんな塗装業者だと思って間違いありません。
電車の線路沿いの家はレールの鉄粉が飛んできますから、外壁の汚れも早く、金属部分は錆の影響が出やすいですよね。
そのような場所と静かな住宅街とでは、外壁や屋根の傷みの進行が同じはずがありません。
良い塗料だからと言って、塗装の寿命が全て同じではありません。
ペンキの質が寿命を決めるのは確かですが、
何年くらい長持ちするかというのは立地条件によって異なります。
そこまで考慮した上で「10年は大丈夫」と言う業者なら、
ペンキの知識があり、よい選択の出来る経験豊富な業者の可能性が高いということです。
2.塗料の種類だけで良い悪いを判断しない
「弊社が提案するペンキの種類はシリコン塗料です。ウレタン塗料より丈夫です」
こんな風に一生懸命、力説する営業マンがいます。
シリコンの主な性能は耐久性や耐熱性や耐薬品性です。したがって口紅やシャンプー、医療のチューブなどにも入っています。
たしかに、大まかに考えればそのとおりなのですが、シリコン塗料の中でも色々な種類があります。
例えば、水性のシリコン塗料や、油性のシリコン塗料があります。すべてのシリコン塗料がウレタン塗料に勝っている訳ではありません。そして、塗料の中にわずかなシリコン成分しか入ってなくても、シリコン塗料に違いはありません。
わかりやすく言うと1リットルの水の中に、スポイトで一滴のレモン汁を混ぜて「これはレモン水です。」と言うような事と同じです。たしかにレモンの成分は入っていますが、スポイトでたったの一滴ですから、ただの水と変わりないですよね。
このような、馬鹿げたシリコン塗料も本当にあるのです。
ですから、ペンキの種類だけで、良いもの悪いものを判断できません。
また、ペンキを塗る「物」によっても材料を選別しなければなりません。
例えば、伸縮があるやわらかい物に硬い塗料を塗ると、どうなるか?
やわらかい物が伸縮すれば、上に塗った硬い塗料が割れてきます。
現場を経験してない、営業マンがこのような知識を持っているかはわかりませんが、これも正しい塗料の選択ではないということを覚えておいてください。
3.色にこだわる人は塗料の耐用年数だけで判断しない
「この塗料で塗っておけば大丈夫。長持ちするから少々高くても、ベストな選択です。このプランが一番良いですよ。」
すぐに長持ちのプランだけで提案する営業マンがいます。
私は「このプランが一番良い」と言うには早いと思います。
確かに長持ちすることは良いことですよね。しかし、「私は飽きっぽい性格なんだ」という人は10年間、同じ色の家に住む事はストレスになるかもしれません。
だったら、寿命が5年くらいの安い材料で塗装をして、5年後に、また塗り替えをすれば、5年ごとに建物をリフレッシュできます。
要するに、10年間塗り替えなしのプランの半額で工事を依頼すれば良いという事ですよね。
知識と実績のある塗装業者なら、必ず良いプランを提案してくれます。
これは、不可能な事ではありません。
いろいろなプランを提案してくれる業者の方が選択の幅が広がります。
業者にたくさん質問をしてみましょう。
外壁塗装と屋根塗装の価格の目安 >
4.塗装工事をした現場を見せてくれる業者を選ぼう
業者が実際に塗装工事した物件を見せてもらいましょう。
これまでに塗装工事を手掛けた家をたくさん見せてもらってください。既に工事をした人の感想も確認してください。「我社は地元で○○年の実績があります」と言う業者に今までに塗装工事した家を30件ほど案内してもらいましょう。
どれほど外壁や屋根をキレイに仕上げているのかは、実物をみせてもらえば、一目瞭然ですよね。もっと良いのは、今現在、工事中の現場を案内してもらうことです。
そうすれば、どんな塗装職人さんを使っているのか、工事中のマナーなども、見ることができます。
次の日にこっそり見に行く事だってできますよね。現場の抜き打ち見学です。
黙々と仕事する職人さんやギャアギャアうるさい職人さんなど、
自分の目で評価できますから、自己防衛の為に大切な事です。
5.塗装会社の社長や塗装職人をチェックしよう
塗装業者を決めた後でも、油断はしてはいけません。担当者(現場監督)の質を見てください。質の良さは、話の中から見えてくるものです。
仕事以外の世間話を沢山するのも良い方法です。
担当者がいいかげんだと、工事の質が極端に低下します。ですから、あなたが、納得できる人に監督業務をしてもらうことですね。
工事の始まりから終わりまでの流れを説明してくれて、工事中にあなたのストレス(塗料臭や騒音)が溜まらないような工事の進行をあなたと二人三脚で考えてくれるような親切な人。価値観がよく似ていてあなたの悩みや不安を一緒に解決してくれる・・・このような担当者なら、最高ですよね。
その為には、沢山お話をすることです。おたくの会社はお客さんとのトラブルは多いですか?とか、監督さんが答えにくいような質問をするのも良い方法のひとつです。
正直に「以前、こんな事でお客様から叱られました」と自分が不利になるような事も話してくれる人なら良い人かもしれませんね。
代表プロフィール >
外壁塗装工事の悪徳業者に騙されない!業者の見分け方
悪徳リフォームは社会問題にもなっています。外壁塗装工事も注意が必要です!
誰もが「限られた予算の中で、満足できる塗り替えをしたい」と思いながら「絶対に失敗したくない!」とも思っています。
あなたも例外ではないと思いますが、何の選択基準も持たずに業者選びをするのは危険です。
そこで外壁塗装工事の悪徳業者に騙されないために、悪質業者の手口を覚えてください。
「頼んだ塗りが、支払うお金と本当に見合っているのか不安・・・」
このように感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それは「スグに色が剥れてしまうのではないか?」
「ホントに長持ちするだろうか?」など心配事は尽きません。
しかし、その不安はもっともなのです。
先ほども書きましたが、失敗する人のほとんどが塗装業者選びの間違いなのです。
社会問題になった悪徳リフォーム会社の実態も覚えてください。
外壁塗装は近所の皆さんの目に触れる建物の外側の工事ですので、耐震補強工事などと違って騙されるケースは比較的少ないと言われていますが、それでも騙されてしまう人が後を絶ちません。
それは外壁塗装の悪徳業者の手口です。
オリジナル塗料の商品には注意
会社案内や商品パンフレットは立派でも、大事なのは中身です。
ひとつ例を挙げましょう。
『オリジナル塗料』というだけで果たして中身は・・・?
「我社の塗料はオリジナルです。我社の優秀な開発チームが長年の研究の末に開発した特別な塗料ですから・・」
セールスマンにこう言われて「すごい!特別な塗料か?!!」と思った方は冷静になってくださいね(笑)
日本には50年以上塗料を研究し、作り続けている会社があります。
-
- 日本ペイント株式会社
- 関西ペイント株式会社
- エスケー化研株式会社
上記に挙げた塗料会社さん。どれかは名前を聞いたことがあると思います。
実際には、もっと沢山の優秀な塗料メーカーがあります。
世界に誇る製造技術を持ち、長年にわたり塗料を研究している会社が作れない塗料を、「ペンキ塗りませんか??」とあなたの家に来るような人がいる会社で作れると思いますか?
種明かしをしますね。この類の会社は、大手塗料メーカーと年間契約しているのです。
つまり、年間に何千本の塗料を仕入れますから、塗料の缶のデザインや塗料の名前を我社のオリジナルにして下さいってね。
つまり、缶の中身は(大手メーカー製)塗料屋さんで売られているペンキなのです。
塗料に付加価値を付けるためにオリジナル塗料にしているのです。
外壁塗装の費用を格安にする値引き
「弊社は値段の安さは何処にもまけません!」電気屋さんのCMで聞いことのあるフレーズ・・・
なんで安いのか?と尋ねると
「弊社は塗料を大量に仕入れる為、お値打ちにできるんです」
「それと、無駄な手間を省く事もしております」
ペンキを塗るのは塗装職人さんですよね。職人さんは機械ではありません!
無理があるんです!話の内容に・・・。塗料をお値打ちにしてもらっても、たかが知れています。それと無駄な手間って何でしょう?無駄な手間なんて最初からあってはいけないのです。
結論から言いますと、安くする為には無駄な手間じゃなくて、大事な手間を省かないとならないのです。
つまり手抜き工事をしないと安売りはできません。
塗装は塗料の品質と、職人さんの経験による知識と技術で決まります。
シリコン塗装○○円より(25坪)限定2名様に注意
値引きやチラシなどの金額表記には十分注意が必要です。
塗装店のチラシによく書かれている、
シリコン塗装○○円より(25坪)限定2名様
この「○○円より」が曲者です。これは相場がわからないお客さんに電話を掛けてもらう為の手段です。
要するに「交渉のテーブルに呼び出す為の言葉」なのです。
実際話しを聞いてみたら
「この料金には足場代金が含まれていません」とか、「すでに2名様が決まってしまいました。でも、せっかくお電話を頂きましたのでサービス価格で工事しますよ」
たしかに嘘ではないかもしれませんが、チラシを見た皆さんは期待して電話をかけてしまうと思います。
私が騙されたダイエット食品の販売手口に良く似ています(悲)
「1週間でなんと!8キロも痩せちゃいました」
その隣に『個人の感想であり商品の効果を表したものではありません』と小さな字で・・・
チラシに表記されている内容をよくご覧になってから電話をかけるようにしてください。
悪質リフォーム会社の代表的な手口はモニター価格
一人暮らしのお年寄りの場合、必ずすぐに契約しないことを約束しておきましょう。
「弊社はこの地区を営業強化地区として販売実績を作りたいと思っています。ぜひ、お客様のお宅をモデルにさせてください。そのかわり通常価格の半額で工事してさしあげます」
これは、一昔前にあった、悪質リフォーム会社の代表的な手口です。
新聞や市政だよりなどで知っている人も多いとは思いますが、まだまだ騙される方もいるようです。
このパターンはお年寄りが被害にあうケースが非常に多いと聞きます。
そう!『はじめての方へ』でもお話した私の友人の家の2軒隣のお年寄りもこれで被害にあったようです。この手口は「通常価格の半額」という言葉。これがいけません。
悪質リフォーム会社の「通常価格」なんて世間一般では「異常価格」ですからね。
その異常価格を半額にしてもらっても、十分高い値段に変わりはありません。
お客さんを得した気分にさせて騙す・・・非常に悪質な手口です。
お年寄りの一人暮らしが狙われやすいので、離れて暮らすご家族の方のために覚えておいてください。おじいちゃんやおばあちゃんが家の塗装工事をするときは、必ず電話や手紙などで連絡が入るようにしましょうね。
外壁塗装の悪徳業者の被害にあわないようにそういった防衛策を取りましょう。
訪問販売のリフォーム会社の挨拶に注意
「農協のほうから来ました」と言われたら皆さんどう思います?
信用しますよね。そりゃそうですよね。だって農協が人を騙すわけありませんから。私だって農協なら信用します。ここで問題なのは 農協の職員ではなくて、「農協の方角から来た人」のことです。言葉って難しいですよね。
これも実際にあった話なのです。
お客さんは農協の職員さんだと思い込んで工事を頼みました。ところが、実際はぜんぜん違った会社だった訳です。
「あんた農協って言ったじゃないか 私を騙したのか!」
その業者は「私は農協の方角から来たと言ったんだ!職員とは言ってない!」
確かに農協の職員とは言ってないけど、勘違いするような言葉ですよね。
あとで考えれば、本当に腹が立ちますよね。こんな、へりくつを堂々と使って言葉巧みに勧誘してきます。
これを防ぐ方法って・・・同じ人間として、ため息がでますね。
全てを疑いから始めなければならない。
どうやって防ぎましょう?やはり、すぐに契約はしない事ですよね。
恐怖話法に乗らないで!家の塗り替えの事はゆっくり考えよう
不安になるような言葉をかけられても冷静に対処してください。
「奥さん、このままでは家がボロボロになってしまう。一刻も早く工事しなくては・・・」
このような言葉をまともに聞いていては家計がボロボロになってしまいます。
家はあなたの資産ですから、大切なのはわかります。しかし、まずは冷静になって下さい。
必要以上に恐怖心をあおる 業者がいます。ここで覚えておいて下さい。
基本的に新築からの年数が7年〜10年未満の家なら、焦る必要はありません。
要するに一刻も早く工事する必要は無いのです。
ゆっくり家を診断してもらっても、十分な時間が残されているのです。
10年位で致命傷になる家なんてそうそうありませんよ。
だから、このように言えばいいのです。「家の事はゆっくり考えますから結構です」と。
ただ、大切な家の事を考えると、7年〜10年位で外壁や屋根の塗り替えするのがベストです。その時期が来ましたら、まずは診断してもらいましょう。
業者別のメリット・デメリット
ハウスメーカー、訪問販売、工務店、塗装専門店。
それぞれの塗装工事のメリット・デメリットは?
さて外壁塗装を考えたときにどこに頼むのかを考えたことはありますか?
主に外壁塗装を行う業者は、次の4つが挙げられます。
それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
1.ハウスメーカーの塗装工事
他の業者と比較するとハウスメーカーは知名度が高いという点が一番のメリットです。自宅をハウスメーカーで建てて、営業マンのアフターフォローもしっかりしていると感じている方は、迷わずハウスメーカーに依頼すると思います。
しかし、ハウスメーカーは自社で塗装職人を雇っておらず、契約している下請けの塗装専門業者に工事を依頼しています。営業マンの知識不足などが原因で、実際に施工する会社との話にズレがあることも・・・。
外壁塗装工事の費用は基本的な費用の他に、営業マンの人件費や広告宣伝費、会社利益などの中間マージンが上乗せされてしまうため、同じ工事でも割高になってしまうのがデメリットとして挙げられます。
2.工務店、リフォーム会社の塗装工事
工務店もリフォーム会社も知人からの紹介やもともと地元にある会社だからという理由で信頼度が高いのがメリットです。工務店もリフォーム会社もハウスメーカー同様、契約している下請けの塗装専門業者に工事を依頼しています。
実際に施工する職人さんはその会社の景気・不景気で左右される場合もあるので、職人さんの質はいつも同じとは限らないのがデメリットとして挙げられます。費用も少し割高な会社も多いようです。
3.営業会社(訪問販売など)の塗装工事
訪問営業は最もトラブルが多いことで有名です。その営業マンに対するマージンや高い人件費、宣伝費などが上乗せされてしまうため、価格も高額です。『値引きしますよ』という言葉に惑わされないよう特に注意が必要です。
4.塗装専門店の塗装工事
専門業者が直接外壁塗装工事を行うため、中間手数料が発生しませんので、比較的価格を安く抑えることができます。また、塗装に関する知識も豊富で、その専門業者の方が直接現場に入ることもあります。
営業マンがいない場合は、ご近所への配慮への不安や、会社の評判がわからずに不安になる方もいますが、その会社の施工実績やお客様の感想、その会社の職人さんの経験、社長の人柄などを確認してから依頼しましょう。